December 30, 2011

「Toxic」ワンコーラス解析

◆メロ

Aメロ-Bメロ:「ところで」から始まる文章のようなAメロのさりげない入り方。同じメロ2回繰り返し、3回目はそのモチーフの展開だか、ルート音まで上がりきらない音で終止。不協和音で不穏なイメージを駆り立てている。音は3度以上離れていないのでボーカルがニュアンス豊かに歌える範囲。Bメロ、五度の音から入り、上がっていく。ひそひそ話のようなボーカルでより不穏さを現している。

サビメロ:9th から11thへ。下がって上がるところが、60年代クラブジャズ(シャンソン?)っぽい。ボーカルはそこでファルセットに。よりセクシーに聴こえる。三、四小節目は1度、5度の往復。1度、5度はなぜかスタイリッシュに聴こえる。浮遊感が続く。二回し目の三小節目からはパンチのある歌声にシフト、一番パンチのある箇所で4度♯を持ってきててソウル、ロックっぽいスタイリッシュさ。「浮遊感(7th9th11th中心の音)からのルート音周辺のメロに着地」+「ファルセットの多用から、パンチのある歌声に着地」の強力コンボで、かなりのカタルシスがある。


◆アレンジ・ミックス

イントロ-Aメロ:低域を切った、ホラー(&ヒステリック)打ち込みストリングスリフ+バスドラ。アコギが入ることで、リスナーのジャンルの確定をはぐらかす。Aメロ前のブレイクにオクターブ上のリード系の遊び音とビブラフォン。息つくヒマもなくAメロのボーカルが入り、低音のベース、バスドラで周波数が急に広がる。これは割とスタンダードな仕掛け。ベースはベンド操作。これも特に目新しくはない。ベースの音色、周波数がが抜群にいい。スネア重めだが、リリース短い。徐々にボリュームアップするストリングスが来るぞ来るぞ感を盛り上げてる。Aメロ二回し目からハイハット入る。ずっとイントロのストリングスリフが鳴ってる。リピートで中毒性高い。Aメロ終わりはバスドラ抜きのシンプルアレンジ。

Bメロ:Aメロとコード進行は変わらず、Bメロ頭にシンバルと鳥が羽ばたくような効果音(スネアのブラシ?)(控えめ)Bメロにメロと同じライン、ボーカルとほぼ同じ周波数+中低域プラスのもったりしたシンセ音、バックに同じくユニゾンでビブラフォンぽいエレピ。このシンセ音は北欧っぽい。この中域を(軽めの)ポルタメント使用で出してくるのは北欧。ビブラフォンは音が控えめで上品だが、効果は抜群。左右にボーカルを振り、ちょっと中域切ってある感じ。中央にリード音とビブラフォン。リフやメロが力強くモチーフを奏でているのに対して、こういった効果音は極控えめに上品に散りばめられている。

サビ前のブレイクに倍音かましたサイン波(ギターにファズかましての高域切った感じ)。同じ音で鳴り続け、機械的に聴こえるけど、高音を切ってるので、まだ、来るぞ、来るぞ感がある。


サビ:コード進行変わる。特に三小節目の半音下がるコードが不穏さに一役かっている。リフはそのままのせてる。間奏からギターのモチーフが入る。007系。音、いいなー。


◆コンセプト

ホラー(ヒステリック)系&スパイ系&60年代クラブジャズ(シャンソン?)&マトリックス的なハイテクノロジー映画系

怪しくなにかが迫ってくる感じ。なにかに対峙しているときより、なにかが迫ってくるときが一番リスナーの想像を掻き立て、感情を盛り上げる。ちなみに対峙すると、今度はドーパミン他の物質をいかにどばーっと出させるかが肝になる。


全体的に強力なリフとモチーフの嵐。一つずつが丁寧に考えられており、しかもトータルでのまとまりもある。すげえ。まじすげえ。